新規機能性材料の開発研究

最近我々はヒドロキノンの二量体を容易に合成する手段を開発し、アリールチオ基をもつヒドロキノン二量体が紫外光による励起で比較的強く蛍光を発行することを見つけました。この蛍光は対応するキノンに酸化すると見られなくなることから酸化還元応答をもつ蛍光材料としての期待が持てる化合物です。水溶性を獲得する修飾にも成功しました。反対に非極性溶媒にも溶けやすい蛍光染料も開発しました。現在生理活性のある分子をこのユニットにつなげることで新しいバイオイメージング材料として応用可能であるかどうかについての研究も行っています。

また1,5−ジアザペンタジエンも黄色の呈色をもつ化合物ですが、立体的な要因で1,5-位にあるベンゼン環がねじれたコンホメーションをとることでその吸収波長が徐々に短波長シフトしていくことを見つけました。これらは新たな機能性材料のユニットとして期待できます。

A. Kamimura,* Y. Takechi, R. Watanabe

Heteroatom Chem. 2014, 25, 402 – 409.

A. Kamimura, T. Nokubi, R. Watanabe, M. Ishikawa, K. Nasu, H. Uno, M. Sumimoto

J. Org. Chem. 2014, 79, 1068 – 1083: DOI: 10.1021/jo402522y.

A. Kamimura, H. Matsu, H. Suzukawa, E. Sato, M. Sumimoto and H. Uno

Chem. Lett. 2012, 41, 984-986

A. Kamimura,* T. Nokubi, K. Nasu, Y. Takechi, Y. Ishihara, K. Kato, S. Noguchi, M. Watanabe, M. Shirai, M. Sumimoto and H. Uno

Chem. Lett. 2012, 41, 950-951

T. Nokubi, K. Nasu, R. Watanebe, A. Kamimura*

Chem. Lett. 2013, 42, 876-878 ; DOI:10.1246/cl.130348.