化学は物質の変化(反応)とその性格(物性)を調べる学問です。化学のおよぶ範囲は、自然界のすべてに関わります。生命を調べるのも、新しい物質を作るのもすべて化学の役割です。ですから、自然科学の中で唯一「新しい物質を作り出す」ことのできる学問が化学です。その中でも炭素を扱う有機化学はその王様!なぜなら、プラスチックも、薬も、日常品も、食べ物も、そしてあなた自身も、すべて有機物だからです。有機化学を使えば何でもできます。どんな夢も叶うでしょう。でも、有機化学を扱える人の数は限られています。それは難しいからです。ですから、どんな企業もどこの国でも、そしてどんな分野でも、有機化学のわかる人は「とても望まれている」のです。なぜなら、有機化学がわかる=化学をとてもよく知っていて自由自在に化学を使える、ということを意味するからです。 また世界とも化学式を使えば「コミュニケーション」できるのですから、日本の小さな街の宇部や山口からでも世界に通じる、世界に貢献する、そして世界と戦える学問ができるのです。
有機化学をマスターするためには適切な研究室で勉強しなければなりません。できる有機化学者になるには
1.有機化学をよく知っていること
2.実験をできること
3.機器分析をして何がおこったか理解できること
4.得た結果を世界に発表できること
5.未知の物質を作る設計(デザイン)ができること
が条件でしょう。そのためには勉強して自分を高めねばなりません。そのためには、上村−川本研究室では以下の目標を掲げています。そしてこの目標を達成することで、本研究室の修了生は世界に通じる化学者になれる、と考えています。
修士修了時:与えられた有機化合物(環が2つ・不斉炭素が5つ程度)に対して、1つの合成計画を提案できる。あるいは与えられた変換反応に対して複数の反応を提案および実行してベストの方法を実験的に速やかに見出せる+TOEIC550点以上(目標)
博士修了時:与えられた有機化合物(天然生理活性物質を含む)に対し2つ以上の合成計画を提案でき、それらの長所短所を議論し、研究計画書を書くことができる。また、その研究を実施して1年以内に何らかの成果を出すことができる。外国の研究者に自分の研究を説明できる+TOEIC650点以上(目標)
できるわけないや、ってあきらめてませんか?そんなことはありません。はじめは遠い道に見えても、一歩ずつ進めていくことで、これまでの研究室のほとんどの卒業生が達成しています。大事なのは、自分を高めるために、毎日努力すること、そしてその努力を知らず知らずのうちにできる研究室を選ぶこと、でしょう。上村−川本研究室は噂通り「厳しい研究室」かもしれません。しかし、自分で自分をコントロールできる自由があります。結果を出す努力をすれば自分で時間のコントロールして、さらに自分を高めることも可能です。また、同じ時間を使うのなら、大きな事をなしえるところでがんばってみたい、と思う人も少なくないでしょう。そのためにはうってつけの研究室です。研究面で世界を相手に活躍し、自分を高め、世界に打って出られるように志を高くもった、そんなあなたと一緒に楽しく研究できるのを願っています。
上村−川本研究室ではこれまで多くの大学院学生が世界に出て経験を積んで研鑽してきました。ここにその一覧を示します。
(学年は出発当時のものです)
所属学生のこれまでの長期(>6ヶ月)海外留学(新長州ファイブ奨学金を得ています)
6. September/2014 〜March/2015 (6ヶ月間) |
D2 森山隆明 |
エアランゲン大学薬化学科 (Heinrich研究室) |
5. March/2013 〜November/2013 (8ヶ月間) |
D1 宮崎弘一郎 |
イギリスUCL化学科 (Anderson研究室) |
4. January/2012 〜August/2012 (7ヶ月間) |
D1 野首智美 |
エアランゲン大学薬化学科 (Heinrich研究室) |
3.July/2011 〜February/2012 (8ヶ月間) |
D2 仲野敏樹 |
イギリスUCL化学科 (Motherwell研究室) |
2. July/2011 〜February/2012 (8ヶ月間) |
D2 宗 正浩 |
イギリスUCL化学科 (Porter研究室) |
1. May/2009 〜March/2010 (10ヶ月間) |
D2 石川慎吾 (カナダMcGill大学 PDをへて東京医科大学助教) |
イギリスUCL化学科 (Motherwell研究室) |
所属学生のこれまでの短期(<6ヶ月)海外留学
(工学部のグローバル人材育成事業の援助を得ています)
5. October/2015 〜December/2015 |
M1 村田健虎 |
フランス University of Bordeaux (Landais研究室) |
4. September/2014 〜November/2014 |
M1 石川万莉 |
フランス University of Bordeaux (Landais研究室) |
3. July/2014 〜September/2014 |
M2 渡邉竜介 | シンガポール Nanyang Technological University (Chiba研究室) |
2. July/2013 〜September/2013 |
D1 森山隆明 |
韓国 |
1. July/2013 〜September/2013 |
M2 岡川大輝 |
韓国 |
所属学生のこれまでの海外学会での発表
2016年 | ISOFR (Shanghai, China) |
M1 板谷朋幸 M1 佐々木理緒 |
2014年 | ISOCS26 (Istanbul, Turkey) |
D3 宮崎弘一郎 M1 石川万莉 |
2013年 | ICHC24 (Shanghai, China) | M2 山根 侑 |
2012年 | ISOFR11 (Bern, Switzerland) | M2 小竹智子 |
2012年 | ECHC (Reading, England) | M2 森山隆明 |
2011年 | ICHC23 (Glasgow, Scotland) |
D2 宗正浩 D2 仲野敏樹 M1 宮崎弘一郎 |
2010年 | ISOCS24 (Firenze, Italy) | M1 野首智美 |
2010年 | Pacifichem2010 (Hawaii, USA) |
D1 宗正浩 D1 仲野敏樹 D2 松秀樹 D3 山本茂弘 |
2009年 | COIL-3 (Cairns, Australia) | D2 山本茂弘 |
2009年 | ICHC22 (St. Jone’s, Canada) | M2 石原友里子 |
2009年 | ISFR2009 (Chengdu, China) | M1 秋成優吾 |
2007年 | ICHC21 (Sydney, Australia) |
D3 門脇亜矢子 M2 石川慎吾 |
2007年 | ISFR4 (Cheju, Korea) | M1 山本茂弘 |
2006年 | PSRC2 (Daejeon, Korea) | M2 倉谷朋宏 |
2005年 | Pacifichem2005 (Hawaii, USA) |
D1 門脇亜矢子 M1 大原裕樹 |
2000年 | Pacifichem2000 (Hawaii, USA) |
D3 光寺弘匡 D1 小俣洋治 |
なお、本研究室の海外学会発表はすべて
「現地集合・現地解散」です。