有機化合物の種類
有機化合物の種類
Tuesday, 29 October 2013
有機合成は官能基を理解するための学問ともいうことができます。官能基の性質を把握することで分子の物性から変換反応に至る幅広い現象を説明できるのです。今回の講義ではその入り口となる基本事項を学びました。官能基の種類、そしてそれらが生み出す分子間力が何なのかをしっかりと身に着けてください。
官能基は、極性の低いアルカン、アルケンやアルキンなどの炭化水素系から極性の高いアルデヒド、ケトン、エステルやアミドなどのカルボニル系など様々な原子団があります。同じ原子の数や分子量でも、原子の並びが異なるだけで物性の大幅な変化が生まれます。一覧表を参考に一般的な官能基の種類をしっかりと把握してください。授業では、ハロアルカン、アミン、カルボニル化合物、そして芳香族の簡単な性質を説明しました。炭素にハロゲン、アミノ基、そしてカルボニル基が付くと、分子がどのような物性を示すのかをしっかりと復習してください。
分子間力は、分子同士が及ぼす“力”のことです。分子を磁石のように考えてください。弱い相互作用であるvan der Walls力には、双極子-双極子相互作用やLondon分散力があります。これよりも強い分子間力である水素結合は、アルコールやカルボン酸などの水酸基(OH)を持つ分子に見られます。分子間の水素と酸素がお互いに相互作用することにより分子同士の強いネットワークを形成します。水の分子量が18と小さいにも関わらず沸点が高いことはこの結合形成に起因しています。
沸点と溶解度は、分子同士の相互作用によって生じる現象です。分子同士が強い分子間力を形成していると、沸点は高くなり、また溶解度も大きくなります。どちらの現象も分子同士の結合を引き離すのに必要なエネルギーを考えています。
また、溶解度を考える上で重要なことは、似たもの同士はよく溶け合うということです。ここで言う“似たもの”とは、同類の分子間力を及ぼし合うことができるということを示しています。例えば、水素結合が得意な水分子とそうでないアルカン分子は混ざりあうことはできません。
命名法のポイントは、まず官能基の名前を把握することです。それができるようになったら、IUPAC則に沿って炭素主骨格(炭素鎖の最長のもの)を決め、番号付けをし、適切な置換基の名前を割り振ります。簡単な分子の命名を繰り返すことによって、的確に命名できるようになってください。